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ハルニレの木 The Elm Tree

 演奏時間  約5分10秒  編成(*印はオプション)
 グレード  2+ Fl.*
Ob.*
Bsn.*
Cl. 1 / 2*
Bs.Cl.*
A.Sax. 1 / 2*
T.Sax.
B.Sax.*
Trp. 1 / 2*
Hr. 1 / 2*
Trb. 1 / 2*
Euph.*
Tuba
S.B.*
Perc. 1 / 2* / 3*
【使用打楽器】
Timp.
S.C.
Tri.
Wind Chime
Tambourine
B.D.
Glk.
Vib.
Tubular Bells
 最小人数  8人〜
 楽譜  ブレーンミュージック
 楽譜サンプル  スコアPDF
 参考音源  YouTube
 CD  ブレーンミュージック
 主なソロ楽器  Cl. / A.Sax. (or Cl. 2) / Trp. (or A.Sax.)
 Trp最高音  1st: 実音C(記譜レ)五線内
 2nd: 実音A(記譜シ)五線内

曲目解説

この作品は2021年、ブレーン株式会社の委嘱作品として作曲されました。

「ハルニレの木」は、北海道中川郡豊頃(とよころ)町に自生している、推定樹齢約150年の大きな木の名称です。十勝川沿いの河川敷にぽつんと立つ、大きな1本の木に見えるのですが、よく見ると2本の木が根本で寄り添い、まるで1本の大木のように上下左右に大きく枝葉を伸ばしています。移りゆく季節と厳しい大自然の中、風雨に負けず、地中深く根を張って100年を超える年月を共に成長を続けてきたこの木は、現在多くのカップルが訪れる観光名所となっており、曲はこの木に深い感銘を受けて作曲されました。

「緩 - 急 - 緩」の三部形式で書かれており、「緩」の部分では美しい自然の中、2本の木が寄り添って大きな枝を広げる、雄大なハルニレの木の様子が描かれています。「急」の部分では生命力あふれるつぼみや葉っぱの成長、風雨に耐える情景などが描かれており、再び「緩」で平穏な音楽が戻ると、これから時代が移り変わっても永遠にその場に居続けるであろうハルニレの木が感動的に描かれ、華やかに幕を閉じます。

演奏グレードは2.5(2+)と技術的におさえられており、演奏人数も最小8人(管7人打1人)から多めの編成まで、どのようなバンドで演奏しても表情・表現豊かな音楽が演奏出来るように書かれています。トランペットの最高音が五線内の実音C(記譜レ)など、金管楽器は音域が広くなく、木管楽器に多少細かい音符があるものの、指使いに慣れれば問題なく演奏出来る難易度で、中学生や小学生バンドが演奏しても演奏効果の高い楽譜となっています。打楽器は最小1人(Perc.1)で、ティンパニ、サスペンデッド・シンバル、ウィンド・チャイムを兼任して演奏することが出来ますが、2人以上いる場合はより多くの打楽器(Perc.2, 3)を加えて、厚みのあるサウンドになるでしょう。


木内恒先生による解説・選曲アドバイス(ブレーンミュージックHPより)

現在のバンドの多くが抱える問題として「部員不足」があります。人数が少ないと経験が不足している1年生の力にも頼らざるを得ません。そうなると難しい曲はできないし…というバンドにうってつけなのがこの曲です。

最小で8人(打楽器を含)で演奏できます。もちろんもっと多い人数演奏可能ですし、しかもどの人数でも豊かな表現が期待できます。また、各楽器の音域に無理のないように書かれているだけでなく、経験の少ない奏者でも良い音が出るように丁寧な工夫がされています。中間部の6/8は慣れないと少し難しく感じるかもしれませんが、拍を数えながら練習していけば大丈夫だと思います。

曲全体に流れる温かな空気感と美しいハーモニーに心が癒やされるのは私だけではないでしょう。この曲を演奏してくことによって仲間の大切さや音楽の素晴らしさに気付いていけるのではないか、という期待感を持ちました。

この曲のスコアを読んでいると広瀬さんの細やかな配慮がとてもよく分かります。人数が少ないバンドでも音楽の良さや吹奏楽の楽しさを十分に味わえる作品です。

(教えて木内先生!【小編成選曲編】より)


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