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北の鳥たち The Birds of North

 演奏時間  約6分00秒  編成(*印はオプション)
 グレード  3 Fl.*
Picc.*
Ob.*
Bsn.*
Cl. 1 / 2*
Bs.Cl.*
A.Sax.
T.Sax.*
B.Sax.*
Trp. 1 / 2*
Hr. 1 / 2*
Trb. 1 / 2*
Euph.*
Tuba
S.B.*
Perc. 1* / 2 / 3*
【使用打楽器】
Timp.
S.D.
Low Tom
Hi-Hat
S.C.
C.C.
Tri.
B.D.
Tam-Tam
Glk.
Xylo.
Mrb.
 最小人数  7人〜
 楽譜  ロケットミュージック
 楽譜サンプル  スコアPDF(1ページ目)
 参考音源  YouTube
 CD  ロケットミュージック
 主なソロ楽器  特になし
 Trp最高音  1st: 実音Fis(記譜ソ#)
 2nd: 実音B(記譜ド)

曲目解説

「北の鳥たち」は2014年、ロケットミュージックの依頼を受けて作曲されました。

作曲者が以前北海道を訪れた際、その大自然の雄大さに心を奪われると同時に、豊かな自然と人間、動物が調和し共存する北海道の歴史に触れる機会がありました。

明治初期に日本が近代国家の道を歩むのと並行して、隣国との関係や国を豊かにするなどの理由から、北海道では短期間の間に山や野原が切り開かれ、本土から移住する人々が増えていきました。その間、先住民のアイヌ民族の多くが土地を追われ、広大な土地を結ぶ鉄道やトンネルの建設などの重労働が囚人たちなどに課せられる一方で、理想郷を求めて移住した開拓民たち自身も、厳しい自然条件の中で多くの困難を伴いながら生活を営んできました。

昔も今も変わらず北の大地の空を飛び続ける鳥たちが、人間たちや大地の様々な移ろいをどの様に見てきたのか、知る由もありませんが、人間同士の争いや悲喜こもごものドラマ、それらすべてを受け入れ、形を変えていく大地と、更にそれらを空から見つめる鳥たち、などを想像しながらこの作品は作曲されました。

近年少人数のバンドが増えている現状を踏まえ、この作品では最小で7人の少人数から30人程度の中編成まで、少ない人数やバランスに偏りがある場合でも、ある程度安定した響きとなる様に書かれてあります。

【演奏に関して】

欠けているパートは楽譜に書かれたキュー(小さなマメ譜)を演奏することで響きを補い、また逆に人数の多いパートは場面によって演奏人数を減らすなど工夫して、それぞれのバンドに合った響きを追求すると良いでしょう。

打楽器は最小で1人から演奏出来る様に書かれてあります。打楽器が1人の場合、Perc.2のパートを演奏しながら、同時にPerc.3のB.D.パートを演奏することが可能です(フットペダル使ってドラムセットのB.D.で演奏する)。打楽器が2人の場合は、Perc.1パートと、上記の様にPerc.2と3のパートを同時に演奏すると良いでしょう。


佐藤正人先生による演奏上のアドバイス(出版楽譜より)

CD「究極の吹奏楽〜小編成コンクール vol.1」に収録されている作品の中で、最もヨーロッパの吹奏楽オリジナル作品的風格のある作風です。

北海道に渡る鳥たちの姿に想いを重なり、旅立ち前の不安や期待、取りたちが挑む厳しい自然との闘いや悲しみ、つかの間の休息、上空からみた旅路に広がる広大な風景等、演奏していても夢やロマンを感じる曲です。

冒頭と中間部のコラールはTranquillo(あるいはDolente)とありますが、曲の聴かせどころなので想いをこめてたっぷりと歌ってほしいです。主部に入って、Furiosoでは、躍動感や舞曲のビート感を出せるように、伴奏のリズムに乗って演奏しましょう。伴奏はマルカートで演奏します。

【C】〜主旋律のリズムの表現やダイナミクスのコントラストもスコアから確認してください。後半は小編成と感じられない響きの中に生き生きとした曲想が繰り広げられます。「息の長い主題の歌い方」「フレージングやリズム」アーティキュレーションの表現」等、作曲者の意図を十分読み取って演奏して下さい。また「テンポ設定や強弱の変化」等、多彩な演奏を目指してください。


コンクールカット案

◆カット案(6分以内)  カット前:約5分56秒 → カット後:約5分42秒

  1. 118小節目まで演奏し、124小節目に飛ぶ(119 - 123小節目をカット)→約6秒短縮

  2. 190小節目まで演奏し、193小節目に飛ぶ(191 - 192小節目をカット)→約8秒短縮